「栃木 空き家 無料」という検索は、キーワードツールで調べると月に480件ほどあります。栃木県では、0円物件サイトにこれまで130件の掲載がありました。そのうち8割は那須町・日光市・那須塩原市の物件で、多くは別荘地や分譲地の山林・原野などの土地です。家付きの物件は19件で、ほかに年に決まった日数だけ使える「日数所有型」のリゾートマンションもありました。この記事では、0円物件サイトに栃木県で掲載された130件を、1件ずつ詳細ページと説明文まで確認して集計しました。その結果をもとに、栃木県で0円や低価格の空き家・土地を探す方法と、譲り受ける前に確かめたい点をまとめます。
栃木県の0円物件の実例(130件)
0円の空き家・土地の掲載に特化した「みんなの0円物件」を2026年10月2日に確認したところ、栃木県でこれまでの掲載は130件でした。状態の内訳は次のとおりです。
| 状態 | 件数 |
|---|---|
| 成約済み | 102件 |
| 取引中止 | 16件 |
| 受付停止 | 6件 |
| 募集中 | 6件 |
成約した102件の、掲載から成約までの日数の中央値は81.5日で、20件は30日以内に成約しています。2026年に入ってからも24件の掲載があり、確認した時点では、全体で6件が募集中でした(土地5件、家付き1件)。
掲載のある市町は14で、多いのは那須町(46件)、日光市(31件)、那須塩原市(29件)です。この3市町で130件のうち106件を占めます。
土地が8割、那須町・日光市・那須塩原市に集中
家などの建物が付いていない土地は105件でした(他人名義の建物が建っている土地と、古家を解体してから譲るとする土地を含みます)。状態は、成約済み80件、取引中止15件、受付停止5件、募集中5件です。所在は那須町(40件)、日光市(25件)、那須塩原市(23件)が多く、地目に山林か原野を含むものが93件ありました。
説明を読むと、昭和の時代に別荘を建てるつもりで買ったまま使わなかった土地や、別荘地の一区画を相続したという土地が目立ちます。説明やタイトルに「別荘」と書かれた土地は37件で、温泉を引き込める別荘地や、管理会社が草刈りや巡回をしている別荘地もありました。
土地の毎年の費用は、2つに分かれます。
- 固定資産税:評価額が低い山林や原野が多く、固定資産税が0円、課税なし、免税点未満などと書かれた土地が30件ありました。
- 管理費・共益費:別荘地では、管理会社や自治会への管理費がかかることがあります。金額が書かれた土地は20件以上あり、年19,500円から59,180円まででした。草刈りを頼む場合は、その費用が別にかかると書かれた土地もあります。一方で、管理費はかからないと書かれた土地もありました。
固定資産税がかからない土地でも、別荘地では管理費がかかることがあります。0円で譲り受けても、持ち続ける費用がかからないとは限りません。
別荘地の土地で確かめたいこと
栃木県の土地の説明には、次のような点が書かれていました。
- 建物を建てられるか:道路に接していない(無接道の)土地や、建築基準法上の道路ではない道に面しているため、建物を建てられないと書かれた土地がありました。建築を目的としない人にだけ譲りたいという土地もあります。家を建てたい場合は、市町の建築の窓口で確かめましょう。
- 水道や温泉:一帯に上下水道がなく、井戸と浄化槽を使う地域だと書かれた土地がありました。温泉を引き込める別荘地でも、引き込みの費用や利用料が別にかかります。ある家付きの物件では、温泉の登録費用が135万円と書かれていました。
- 現地の状態:所有者が現地に行ったことがない、場所がはっきりわからないという土地が10件ほどありました。境界が不明、または示さないとする土地も14件あり、多くは「現況のまま」譲るとしています。自分で現地と境界を確かめましょう。
- 手放すときのこと:別荘地の土地では、所有者が「土地国庫帰属制度を利用しようとしましたが、管理費があるため利用できない事がわかりました」と書いた物件もありました。これは所有者の理解で、使えるかどうかは法務局が判断します。また、この相続土地国庫帰属制度は、相続や遺贈で土地を取得した相続人が対象の制度です。0円で譲り受けた土地は対象にならないので、自分が手放したくなったときは、引き取り手を探す必要があります。
家付きの物件は19件
各物件の詳細ページと説明文で確かめると、家などの建物が付いた物件は19件でした(マンションを除きます)。状態は、成約済み17件、受付停止1件、募集中1件です。成約した17件の、成約までの日数の中央値は78日で、5件は30日以内に成約しています。家付きの物件が多いのは、那須町(5件)、那須塩原市(4件)、日光市(3件)です。
説明には、次のような物件がありました。
- 鹿沼市の明治時代の古民家:約1万2千坪の田畑や山林とあわせて譲られ、26日で成約しています。
- 那須塩原市の別荘地にある平屋:管理費は年196,000円(水道代を含む)と書かれていましたが、10日で成約しています。
- 日光市の鬼怒川温泉駅から徒歩6分(説明による)の2階建ての家:1967年に建てられた古家で、駐車場はなく、境界も確認されていません。特記事項には、アスベストや接道の問題も挙げられています。確認時点で募集中でした。
築年がわかる16件のうち11件は、1981年より前に建てられています。一般に、1981年6月1日より前に建築確認を受けた建物は、今の耐震基準より前の基準(旧耐震基準)で建てられています。住む前に、耐震性や修繕にかかる費用を確かめておきましょう。
家付きの物件で固定資産税の金額がわかる11件のうち、10件は年8,000円から29,500円まででした。残る1件は、元はステーキハウスだった大きな建物で、年171,900円です。中央値は年1万9千円ほどでした。ほかにも、次のような記載がありました。
- 雨漏り:雨漏りがある、雨漏りの跡がある、または雨漏りしていると思うと書かれた物件が3件ありました。
- 建て替えができない:道路に接していないため再建築ができない家や、解体が難しいと書かれた家がありました。
- 別荘の家の管理費:別荘地の家で管理費や共益費の金額が書かれた5件は、年36,000円から196,000円まででした。
日数所有型のリゾートマンション(4件)
栃木県の掲載には、マンションが6件ありました。そのうち4件は、鬼怒川温泉や那須高原の「日数所有型」のリゾートマンションです。部屋を丸ごと持つのではなく、1年のうち決まった日数(20日分や80日分)を使える権利を譲るもので、温泉大浴場などの共用施設を使えると書かれていました。
ただし、管理委託料が毎年かかると書かれていました。金額が書かれた3件では、年114,840円から290,400円まででした。所有日以外に使う場合の追加料金が書かれた物件もあります。1件には、所有権は登記されておらず、管理会社と個別に契約を結ぶ必要があると書かれていました。0円でも、毎年10万円を超える費用を払い続けることになるので、何日使えるか、やめたいときに手放せるかを確かめましょう。
残りの2件は、那須塩原市のリゾートマンションの4階の同じ部屋とみられます。管理費・修繕積立金・汚水処理費・共益施設維持負担金の金額が一致し、1件目が取引中止になったあとに掲載し直されたとみられるためです。管理費は年63,000円、修繕積立金は年36,000円、汚水処理費は年33,000円で、ほかに共益施設維持負担金200,000円(10年間、年払いも可)がかかると書かれていました。この負担金の金額の意味は、事前に確かめましょう。
空き家バンクで低価格の物件を探す
家付きの0円物件は数が少ないので、市町の空き家バンクもあわせて確認しましょう。栃木県の「とちぎ空き家サイト」では、県内25市町の空き家バンクの情報をまとめて探せます。登録件数は317件(令和8年10月2日現在)でした。
アットホームが運営する「空き家バンク」のサイトで売買物件が表示される栃木県の市町は、栃木市(106件)、矢板市(52件)、足利市(34件)、鹿沼市(33件)など20市町で、合計360件でした。2026年10月2日に当サイトで価格を集計した結果は次のとおりです。
| 価格 | 件数 |
|---|---|
| 0円 | 0件 |
| 100万円以下 | 28件 |
| 100万円超〜300万円 | 87件 |
| 300万円超〜500万円 | 63件 |
| 500万円超 | 173件 |
| 「相談」など | 9件 |
360件のうち176件は戸建ですが、100万円以下の戸建は3件だけでした。戸建で最も安いのは那珂川町の80万円、次が茂木町と鹿沼市の100万円です。100万円以下の28件のうち25件は土地で、矢板市には10万円以下の土地もありました。栃木県の空き家バンクの戸建は、0円物件サイトより価格帯が高めなので、予算に合わせて両方を見比べましょう。
那須町・日光市・那須塩原市の改修補助(空き家バンクで売買などをした家が対象)
0円物件の掲載が多い3市町には、空き家バンクの家を取得してリフォームする人への補助があります(当サイトの確認日は2026年10月2日。那須塩原市のページの更新日は2022年12月28日です)。
| 市町 | 補助の内容 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 那須町 | 費用の2分の1・上限50万円(子育て世帯・若者夫婦世帯は3分の2・上限100万円) | 町外から移住して10年以上住む人。町内の業者が工事する、経費5万円以上 |
| 日光市 | 費用の2分の1・上限50万円(子育て世帯等は上限100万円) | 市外からの移住者か子育て世帯等で、工事の後に転入して10年以上住む人。一戸建てが対象。市内の事業者が工事する、経費20万円以上。募集は15件程度で、令和9年2月28日までに工事を終えられる期間に受付 |
| 那須塩原市 | 費用の2分の1・上限50万円(子育て世帯は3分の2・上限100万円。居住誘導区域内は上限が上がる) | 10年以上住む人。原則市内の業者が工事する、経費20万円以上。家財処分の補助(上限10万円)もある |
3市町とも、対象は空き家バンクを通じて購入した(那須塩原市は賃貸も含む)家で、申請には売買契約書の写しなどが必要です。日光市の要綱でも、対象の空き家を「空き家バンクを利用して購入された」家屋と定めています。3市町の案内には、贈与で取得した場合についての記載はありません。そのため、0円物件サイトやジモティーで見つけた家を無償で譲り受けた場合は、対象にならないと考えられます。空き家バンクに載っている家を0円に近い価格で譲り受ける場合も、対象になるかは事前に市町に相談しましょう。どの補助も、交付が決まる前や工事の契約前に申請する必要があります。
民間サイトで探す
- みんなの0円物件:栃木県のページで物件を確認できます。確認時点で募集中だったのは6件で、5件は那須町・那須塩原市・佐野市の土地でした。家付きの物件は、早いと1か月以内に成約しています。
- ジモティー:栃木県の不動産で「譲り」と検索すると、62件と表示されました(うち32件は受付終了)。掲載中は那須町や日光市などの土地を「あげます」「お譲りします」とする投稿が中心です。事業者の投稿には、「物件価格は0円ですが、成約時に別途マッチング手数料165,000円(税込)が発生します」と書かれたものもありました(ジモティー自体の手数料ではなく、投稿した事業者のものです。金額は投稿によって違います)。0円でも手数料や登記の費用がかかるか、投稿の本文で確かめましょう。
- アットホームの空き家バンク:一部の市町の空き家バンクの物件をまとめて検索できます。
長野県や山梨県でも、0円物件サイトの掲載は別荘地の土地が中心でした(長野県の空き家0円物件の探し方、山梨県の空き家0円物件の探し方)。別荘地の管理費を比べるときの参考にしてください。
0円でもかかる費用
物件が0円や低価格でも、次の費用がかかります。
- 登録免許税:無償で譲り受けた(贈与による)所有権の移転登記では、固定資産税評価額の2%です。買った場合の税率は、国税庁の税額表で確認してください。
- 不動産取得税:有償か無償かに関わらず、取得した人にかかります。税率や、かからない場合(免税点)の条件は、県の税務担当の窓口で確認してください。
- 贈与税:個人から無償で譲り受けた場合は贈与にあたり、その年にもらった財産の評価額の合計が110万円を超えると贈与税がかかります(110万円以下ならかからず、申告も不要です)。評価額が高い家や広い土地の場合は確かめておきましょう。
- 司法書士への報酬:登記を依頼する場合にかかります。
- 仲介手数料・マッチング手数料:空き家バンクの物件を不動産事業者の仲介で買う場合や、事業者のマッチングを通す場合にかかることがあります。
- 固定資産税・管理費:持っている間、毎年かかります。固定資産税がかからない土地でも、別荘地では管理費や草刈りの費用がかかることがあります。日数所有型のマンションでは、管理委託料がかかります。
みんなの0円物件の利用規約でも、登記費用や固定資産税の精算金などの実費は、物件を取得する人の負担となる場合があると定めています。税金の詳しいしくみは空き家を手放したい人へ|0円で譲る方法と手順の「譲るときの契約・登記・税金」の節で、譲る側・受け取る側の両方から解説しています。
掲示板やマッチングサイトの投稿には、所有者の連絡先など個人の情報が含まれることがあります。当サイトでは、こうした情報はそのまま紹介していません。0円物件のしくみや注意点は、空き家0円物件(差し上げます)とは?探し方と注意点もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q1. 栃木県で家付きの0円物件はありますか?
0円物件サイトでは、これまでに家付きの物件が19件掲載され、17件が成約しています。2026年10月2日の確認時点では、日光市の1件が募集中でした。家付きの物件は数が少ないので、新着を定期的に確認しつつ、市町の空き家バンクもあわせて探しましょう。
Q2. 那須の別荘地の土地を0円で譲り受けると、毎年いくらかかりますか?
0円物件サイトの栃木県の土地では、管理費の金額が書かれた20件以上が年19,500円から59,180円まででした(管理費はかからないとする土地もあります)。固定資産税は、0円や課税なしと書かれた土地も多くあります。ただし、草刈りの費用や、家を建てるときの水道・温泉の引き込みの費用が別にかかることがあります。譲り受ける前に、管理会社や自治会に費用を確かめましょう。
Q3. 栃木県の空き家や別荘地の土地を手放したい場合はどうすればいいですか?
市町の空き家バンクに登録する、0円物件サイトに載せる、隣の土地の所有者に譲るなどの方法があります。手順や税金は空き家を手放したい人へ|0円で譲る方法と手順にまとめています。
まとめ
栃木県では、0円物件サイトにこれまで130件の掲載があり、8割は那須町・日光市・那須塩原市の物件で、多くは別荘地や分譲地の山林・原野などの土地です。固定資産税がかからない土地もありますが、別荘地では管理費がかかることがあり、日数所有型のリゾートマンションでは年10万円を超える管理委託料がかかります。家付きの物件は19件と少ないので、市町の空き家バンクもあわせて探しましょう。那須町・日光市・那須塩原市の改修補助は、空き家バンクで購入などをした家が対象なので、使いたい場合は契約の前に市町に相談しておくと安心です。
