「福島県12市町村移住支援金」という制度名を見て、対象や金額がよく分からないという方もいるのではないでしょうか。この制度は、東日本大震災・原発事故の影響を受けた田村市・南相馬市・川俣町など福島県内12市町村へ移住する方に対して、福島県が交付する支援金です。移住先は12市町村に限られますが、移住元は東京圏に限らず全国が対象になる点が特徴です。本記事では福島県公式サイトの情報にもとづき、支援金額・対象者の要件・申請の流れを整理します。
福島県12市町村移住支援金とは
福島県12市町村移住支援金は、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う避難指示等の対象となった、次の12市町村への移住者を対象に福島県が交付する支援金です。
- 田村市・南相馬市・川俣町・広野町・楢葉町・富岡町・川内村・大熊町・双葉町・浪江町・葛尾村・飯舘村
12市町村は避難指示の経緯という共通の背景を持つため、支援金の基本的な枠組み(金額・要件)は12市町村共通です。ただし、各市町村には個別の移住相談窓口があり、市町村単位で独自の支援策を用意している場合もあります。移住先を絞り込む段階では、まず各市町村の窓口に直接問い合わせるのが確実です。
他の市区町村向けの移住支援金と比べて金額が大きいのは、対象12市町村が避難指示の解除・縮小が進む中で人口減少が特に大きい地域であり、福島県が復興・定住促進の重点地域として位置づけているためです。この12市町村という括りは、福島県が独自に設定した支援対象エリアであり、都道府県が一般的に実施している移住支援金(国の制度と連動するもの)とは別枠の制度です。
国の「地方創生移住支援金」との違い
移住に関する支援金を調べていると、都道府県・市区町村が窓口になっている「地方創生移住支援金」という、国の制度と連動した別の支援金を目にすることがあります。福島県12市町村移住支援金は、これとは異なる福島県独自の制度です。対象エリア(福島県内の12市町村限定)、金額、対象者の要件がそれぞれ別建てで定められているため、検索や問い合わせの際は「福島県12市町村移住支援金」という名称で確認すると、目的の制度にたどり着きやすくなります。両方の制度を同時に受給できるかどうかは、公式ページに明記が無いため、気になる場合は移住先市町村の窓口に個別に確認してください。
対象12市町村と相談窓口一覧
12市町村それぞれの相談窓口は、福島県公式ページからもリンクされている「ふくしま12市町村移住支援センター(未来ワークふくしま)」の各市町村ページで確認できます。
| 市町村 | 個別相談ページ |
|---|---|
| 田村市 | 相談ページを見る |
| 南相馬市 | 相談ページを見る |
| 川俣町 | 相談ページを見る |
| 広野町 | 相談ページを見る |
| 楢葉町 | 相談ページを見る |
| 富岡町 | 相談ページを見る |
| 川内村 | 相談ページを見る |
| 大熊町 | 相談ページを見る |
| 双葉町 | 相談ページを見る |
| 浪江町 | 相談ページを見る |
| 葛尾村 | 相談ページを見る |
| 飯舘村 | 相談ページを見る |
市町村ごとの独自の上乗せ支援や空き家バンク・住宅事情の詳細は、各市町村ページまたは窓口へ直接確認してください。
いくらもらえる?支援金額と加算まとめ
支援金は、移住の形態(世帯か単身か)で基本額が決まり、条件を満たす場合はそこに加算がある構成です。金額はすべて福島県公式ページに掲載されている内容です(2026-09-11確認)。
| 区分 | 金額 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 世帯移住 | 200万円 | 申請者を含む2人以上の世帯員が、移住元で同一世帯(住民票上で同一住所)だったこと |
| 単身移住 | 120万円 | 世帯要件に該当しない移住 |
| 子育て加算 | 18歳未満1人あたり100万円 | 東京圏(条件不利地域を除く)に3年以上在住していた世帯が、令和5年4月1日以降に18歳未満の子を帯同して移住した場合 |
| 医療・介護・福祉資格者加算 | 対象者1人あたり120万円 | 令和7年4月1日以降に12市町村へ転入し、県が案内する対象求人へ就業した場合 |
このほか、支援金の交付決定を受けた方には、アイリス・プラザ(アイリスオーヤマの通販サイト)で使える5万ポイントが進呈される特典もあります。これは現金の支給とは別の、交付決定者向けの追加特典という位置づけです。
たとえば、東京圏から18歳未満の子ども2人を連れて世帯で移住した場合、単純計算では「世帯200万円+子育て加算100万円×2人=400万円」となります。ただし加算の適用可否は個々の要件を満たすかどうかで判定されるため、実際の受給額は事前に申請窓口での確認をおすすめします。
支援金以外の特典(住宅ローン優遇)
福島県公式ページの「民間事業者との連携」欄では、支援金の現金給付とは別に、次の2つの特典が案内されています。
- アイリスオーヤマとの連携:支援金の交付決定を受けた方に、同社の通販サイト「アイリスプラザ」で使える5万円相当のポイントを進呈
- 住宅金融支援機構との連携:住宅ローン「【フラット35】地域連携型」を利用できる場合、貸付当初から5年間、金利が年0.25%引き下げられる
いずれも支援金本体(200万円・120万円等)とは別枠の特典で、対象になるかどうかは個別の要件・審査によります。
対象者の要件(移住元・移住先・就業要件)
支援金には、大きく分けて「移住元」「移住先」「就業」の3種類の要件があります。特に誤解されやすいのが対象エリアで、基本の支援金(世帯200万円・単身120万円)は東京圏に限らず全国が対象です。東京圏在住が条件になるのは、子育て加算のみです。
- 移住元の要件:12市町村に住民票を移す直前に、連続して3年以上、福島県以外の地域に在住していたこと
- 移住先の要件:令和3年7月1日以降に12市町村へ転入(住民票を異動)したこと。申請は転入後3か月以上1年以内に行う必要があること
- 就業の要件:週20時間以上の無期雇用契約を法人等と結んでいること、または自ら事業(一次産業を含む)を営んでいること。国家公務員・地方公務員・独立行政法人職員としての就業や、転勤・出張による勤務地の変更は対象外
- その他の要件:過去に本制度の移住支援金の交付を受けていないこと、平成23年3月11日時点で12市町村に居住していなかったこと、地域の復興・まちづくりへの参加意欲があることなど
子育て加算だけは移住元の要件が異なり、「東京圏(条件不利地域を除く)に3年以上在住していたこと」「令和5年4月1日以降に12市町村へ転入したこと」が条件です。全国対象の基本要件とは別枠と考えてください。
要件の詳細な区分・例外規定は、福島県公式ページに掲載されている交付要綱・Q&Aで確認できます。
申請の流れ・申請期間・返還が必要になるケース
申請は転入先の市町村を経由して福島県に提出する流れです。令和8年度分の申請期間は令和8年4月1日(水曜日)から令和9年1月29日(金曜日)までとなっています。申請書類や必要な添付資料は市町村・県の窓口で案内されるため、転入前後の早い段階で一度相談しておくと手続きがスムーズです。
申請に必要な主な書類
福島県公式ページの案内では、主に次のような書類の提出が求められます(個別の状況により追加書類が必要になる場合があります)。
- 身分証明書の写し
- 住民票謄本の写し、および移住元の住民票除票
- 戸籍の附票
- 就業証明書、または自営業の場合は事業の実績が分かる資料
- 健康保険・雇用保険の加入状況が分かる書類
- 住居に関する証明書(賃貸借契約書など)
- 市区町村民税の滞納がないことを証明する書類
- 誓約書・同意書
- 振込先口座の通帳の写し
書類は市町村ごとに部数・様式の指定が異なる場合があるため、実際の提出前に転入先市町村の窓口へ確認してください。
支援金は交付後も一定の条件を満たし続けることが前提になっており、次のようなケースでは返還が必要になります。
- 移住から3年未満で12市町村外へ転出した場合:全額返還
- 移住から3年以上5年未満で12市町村外へ転出した場合:半額返還
- 就業要件を満たさなくなった場合や、虚偽の申請等が明らかになった場合:返還が必要になることがある
返還の詳細な条件は交付要綱に定められています。「もらえたら終わり」の制度ではなく、一定期間の定住・就業が前提になっている点は申請前に理解しておく必要があります。
よくある質問
Q1. 福島県12市町村移住支援金は東京圏に住んでいないともらえませんか?
もらえます。基本の支援金(世帯200万円・単身120万円)は、福島県以外の全国からの移住が対象です。東京圏在住が条件になるのは、18歳未満の子を帯同する場合の子育て加算(1人あたり100万円)だけです。
Q2. 12市町村のどこに移住しても金額は同じですか?
基本額(世帯200万円・単身120万円)と各種加算の仕組みは12市町村共通です。ただし、市町村によっては独自の住宅支援や上乗せ施策を別途用意している場合があるため、移住先を検討する際は候補の市町村窓口(上記の相談ページ一覧)に個別に確認することをおすすめします。空き家バンクの運用状況や賃貸物件の有無も市町村によって差があるため、支援金の金額だけでなく住まいの探しやすさもあわせて比較すると、移住先の絞り込みがしやすくなります。
Q3. 移住してすぐに転出すると支援金を返さないといけませんか?
はい、返還が必要になる場合があります。移住から3年未満で12市町村外へ転出すると全額返還、3年以上5年未満での転出は半額返還が必要です。就業要件を満たせなくなった場合も返還対象になり得るため、詳細は交付要綱でご確認ください。
まとめ
福島県12市町村移住支援金は、田村市・南相馬市など福島県内12市町村への移住者を対象に、世帯200万円・単身120万円を基本額として交付される制度です。子育て加算(東京圏在住者限定)や医療・介護・福祉資格者加算を含めると受給額は変わりますが、基本の支援金自体は全国からの移住が対象という点が誤解されやすいポイントです。令和8年度の申請期間は令和8年4月1日から令和9年1月29日までです。移住を具体的に検討する段階になったら、候補の市町村窓口へ早めに相談し、最新の要件を確認してください。
移住先の物件を探す際は、空き家バンクとは?仕組み・使い方・不動産仲介との違いもあわせてご確認ください。12市町村の中にも、空き家バンクを運営している自治体があります。

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