移住支援金は起業でも使える?仕組みを解説

移住支援金は起業でも使える?仕組みを解説

地方に移住して起業したいと考えていて、「移住支援金は起業でも対象になるのか」気になっている方へ。結論から言うと、移住支援金は起業する人も対象になり得ますが、「起業しただけ」では対象にならず、都道府県が実施する別建ての「起業支援金」の交付決定を受けることが条件になっているのが一般的な仕組みです。この記事では、内閣府の一次情報と、当サイトで一次情報を確認した自治体の実例にもとづき、移住支援金と起業支援金の関係を整理します。

目次

「起業支援金」は移住支援金とは別の制度

内閣府「地方創生」公式サイトの説明によると、地方創生の支援金には「起業支援金」と「移住支援金」という2つの別制度があります(2026-09-14確認)。

  • 起業支援金:地域の課題に取り組む「社会性」「事業性」「必要性」の観点をもった起業(社会的事業)を支援する制度で、最大200万円
  • 移住支援金:地域の中小企業等への就業や社会的起業をする移住者を支援する制度で、最大100万円(単身の場合は最大60万円)

東京圏から地方へ移住して社会的事業を起業した場合は、この2つを組み合わせて活用でき、合計で最大300万円(単身の場合は最大260万円)が交付される可能性があります。ただし、これは国が示す制度全体の上限額であり、実際に交付されるかどうか・いくらになるかは、移住先の都道府県・市区町村の実施内容によって異なります。

「起業しただけ」では移住支援金の対象にならない

移住支援金の対象となる就業・起業の要件は、当サイトで確認した自治体の例でも共通して「起業支援金の交付決定を受けていること」が条件になっています。

  • 北海道札幌市:起業の要件は「北海道が実施する『地域課題解決型起業支援金』の交付決定を、移住支援金の申請時から1年以内に受けていること」(札幌市公式サイトより)
  • 宮崎県都城市:起業の要件は「転入後に起業し、宮崎県の起業支援金の交付決定を受けていること(5年以上継続の意思)」(都城市公式サイトより)

つまり、移住先で単に開業届を出したり法人を設立したりするだけでは、移住支援金の起業要件は満たせません。移住先の都道府県が実施する起業支援金に応募し、審査を経て交付決定を受けたうえで、その事実をもって移住支援金にも申請する、という2段階の手続きが必要になる点に注意してください。

併用を考える際に確認すべきポイント

  • 起業支援金の審査基準は「社会性」「事業性」「必要性」:内閣府の説明によると、起業支援金の対象は地域課題の解決に資する社会的事業に限られます。単なる個人向けの物販業・フリーランス開業などは、審査基準を満たさない可能性があります。
  • 実施の有無・金額は都道府県ごとに異なる:起業支援金・移住支援金とも、国の制度を都道府県・市区町村が個別に運用しているため、実施していない、または独自の上乗せがある都道府県もあります。移住・起業を検討している都道府県の公式サイトで実施状況を確認する必要があります。
  • 申請の順序に注意:札幌市の例のように「移住支援金の申請時から1年以内」といった期限が定められている自治体もあります。起業支援金の交付決定を先に得てから移住支援金を申請する、という順序を踏み間違えないようにしましょう。

起業以外の就業要件との違い

移住支援金の対象になる要件は、起業だけではありません。前述のとおり、移住支援金対象求人サイトに掲載された地域中小企業等への就業や、テレワークの継続なども対象要件として認められています。起業要件との大きな違いは、就業要件は「対象求人サイト掲載企業への就職」という比較的分かりやすい条件である一方、起業要件は「起業支援金という別制度の交付決定」という、もう一段階手続きが必要な条件になっている点です。起業を考えている場合は、この2段階の手続きがある分、通常の就職を選ぶ場合よりも準備期間を長めに見ておく必要があります。具体的には、起業支援金への応募・審査・交付決定までにかかる期間を都道府県の窓口で確認し、移住のスケジュールに組み込んでおくことをおすすめします。

よくある質問

Q1. 起業支援金だけ受け取って、移住支援金は申請しなくても構いませんか?

はい、可能です。起業支援金と移住支援金はそれぞれ独立した制度のため、起業支援金だけを申請することもできます。ただし、東京圏からの移住を伴う場合は、移住支援金もあわせて申請できる可能性があるため、対象要件を確認しておくことをおすすめします。

Q2. フリーランスとして独立する場合も起業支援金の対象になりますか?

内閣府の説明では、起業支援金の対象は「社会性」「事業性」「必要性」の観点をもった起業(社会的事業)とされています。個人のフリーランス活動がこの基準を満たすかどうかは、実施する都道府県の審査基準によって異なるため、応募を検討する段階で都道府県の窓口に確認することをおすすめします。

Q3. 移住支援金の起業要件は、すべての自治体で同じ内容ですか?

いいえ、当サイトで確認した札幌市・都城市の例のように、「どの都道府県の起業支援金の交付決定が必要か」「申請までの期限」など、細かい運用は自治体によって異なります。移住・起業を具体的に検討している自治体の公式サイトで、起業要件の詳細を個別に確認してください。

制度全体の仕組みは移住支援金とは?いくらもらえるか仕組みを解説で解説しています。単身での金額の目安は移住支援金は単身でもらえる?金額を比較、子育て世帯の加算額は移住支援金の子育て加算はいくら?自治体別に比較もあわせてご覧ください。起業を含め、就業要件の詳細や対象自治体ごとの支給額は、各自治体の個別記事でも確認できます。

まとめ

移住支援金は起業する人も対象になり得ますが、「起業しただけ」では対象にならず、都道府県が実施する起業支援金の交付決定を別途受けることが条件になっているのが一般的です。両制度を併用すると国の制度上は最大300万円(単身の場合は最大260万円)まで交付される可能性がありますが、実際の実施内容・金額・申請順序は自治体によって異なります。起業と移住をあわせて検討する場合は、移住先の都道府県の起業支援金の実施状況を早めに確認しましょう。

参考情報

目次