長崎県の空き家0円物件(無料)の探し方と注意点

長崎県の空き家0円物件(無料)の探し方と注意点

長崎県では、0円の空き家・土地を集めたサイトにこれまで38件の掲載がありました。半数の19件は長崎市の物件で、次いで佐世保市が8件です。家などの建物が付いた物件は23件あり、五島列島や壱岐、小値賀島といった離島の家もありました。ただし、斜面地にあって階段でしか行けない家や、車が通れる道路に面していない家が多く、家付きの物件は、土地より成約までに時間がかかる傾向がありました。「空き家 無償譲渡 長崎市」という検索も、キーワードツールで調べると月に260件ほどあります。この記事では、0円物件サイトに長崎県で掲載された38件を、1件ずつ詳細ページと説明文まで確認して集計しました。その結果をもとに、長崎県で0円や低価格の空き家を探す方法と、譲り受ける前に確かめたい点をまとめます。

目次

長崎県の0円物件の実例(38件)

0円の空き家・土地の掲載に特化した「みんなの0円物件」を2026年10月3日に確認したところ、長崎県でこれまでの掲載は38件でした。状態の内訳は次のとおりです。

状態件数
成約済み29件
取引中止4件
募集中3件
受付停止2件

成約した29件の、掲載から成約までの日数の中央値は174日です。ただし、2019年に掲載された7件は成約までが254日から668日と長く、うち4件は同じ432日でした。これを除いた22件の中央値は90日です。30日以内に成約した物件が6件ある一方で、2年以上かかった物件もありました。掲載は2024年が12件で最も多く、2026年も確認時点で5件ありました。

掲載のある市町は9で、長崎市(19件)と佐世保市(8件)で7割を占めます。ほかは平戸市・諫早市・壱岐市・五島市が各2件、南島原市・新上五島町・小値賀町が各1件でした。離島の市町(五島市・壱岐市・新上五島町・小値賀町)の物件は、あわせて6件です。

家付きは23件、土地より成約に時間がかかる

38件のうち23件は家などの建物が付いた物件でした。状態は成約済み19件、取引中止2件、募集中1件、受付停止1件です。成約した19件の、成約までの日数の中央値は367日でした。2019年に掲載された分を除くと、家付き14件は139.5日、家の付いていない土地8件は74.5日で、家付きのほうが時間がかかっています。

築年が書かれた15件のうち、14件は1955年から1977年に建てられたもので、1981年より前でした。1981年以降は、1982年築の1件だけです(平戸市の家は、築年欄は1963年ですが、説明には「築100年近いと聞いている」と書かれていました)。ほかにも、「築80年」「築90年」と説明に書かれた家があります。一般に、1981年6月1日より前に建築確認を受けた建物は、今の耐震基準より前の基準(旧耐震基準)で建てられています。

一方で、早く成約した家もあります。

  • 長崎市の6部屋ある平家:掃除を定期的にしていると書かれ、掲載から6日で成約しています。
  • 佐世保市の丘の上の平屋:1977年築で、天井の穴からアライグマが入り込んだため、業者に家財の整理を頼んだと書かれていました。車は近くの月極駐車場を借りる必要がありますが、13日で成約しています。
  • 壱岐市の離島の平屋:壱岐島の港から市営の渡船で約26分の島にある1982年築の家で、2021年に玄関や風呂場、台所をリフォームしたとされています。買い物はネット通販か電話での注文と書かれていました。105日で成約しています。

家付きの物件で確かめたいこと

長崎県の家付きの物件の説明には、次のような点が書かれていました。

  • 車で家まで入れない:家付き23件のうち10件は、階段でしか行けない、車を横付けできないなど、車で建物まで入れないと書かれていました。佐世保市の借地の家は「階段を80段ほど登った上」にあり、長崎市の2階建ての家は、車の横付けも重機の搬入もできないとされていました。引っ越しや工事の資材をどう運ぶか、解体するときに重機が入るかまで考えておきましょう。
  • 建て替えができない・道路に面していない:小値賀島の家は、前の道が狭く再建築不可と書かれていました。確認時点で募集中だった諫早市の家は、諫早駅から徒歩10分ほどですが、車が通れる接道がないとされています。都市計画区域などでは、建物を建てるには原則として建築基準法上の道路(幅4m以上など)に2m以上接している必要があります(接道義務)。車が通れるかどうかと、法律上の道路に接しているかどうかは別のことです。建て替えや増築を考えている場合は、市町の窓口で確かめましょう。
  • 傷みが大きい家:平戸市の家は、床が抜け落ちている部分があり、所有者は市に寄付を打診したものの受け付けてもらえなかったと書いていました。同じ平戸市の別の家は、床が抜け落ちているようで屋根瓦も剥がれているのに、土台がしっかりしているため解体の補助金の対象外と言われたとされていました。
  • トイレが汲み取り式・古い設備:家付き23件のうち3件(小値賀町・平戸市・長崎市)は、トイレが汲み取り式と書かれていました。小値賀島の家は、五右衛門風呂で、屋根裏の柱にシロアリの被害があり、建物は未登記とされていました。
  • 土地が借地:佐世保市の借地の家は、建物だけの譲渡で、借地代が月8,380円かかると書かれていました。

家付きの物件の固定資産税は、書かれた8件で年3,000円から34,400円でした。

土地で確かめたいこと

家が付いていない土地の15件の説明には、次のような点が書かれていました。

  • 車が入れない・階段の土地:長崎市の土地は、階段に面していて車を横付けできない、入口のあたりは幅1mほどの歩道しかない、といった記載が多くありました。反対に、車を横付けできる長崎市の高台の土地は、「長崎市内の高台では、条件がいい物件」と書かれていました。
  • 土砂災害の区域:佐世保市の山林は、一部が「レッドゾーン」、8割が「イエローゾーン」に入っていると書かれ(一般に、レッドゾーンは土砂災害特別警戒区域、イエローゾーンは土砂災害警戒区域を指します)、道路に接していないため建築ができないとされていました。長崎市にも、土砂災害の区域の指定で建築の規制があると書かれた土地があります。土地の区域は、市町のハザードマップで確かめましょう。
  • 崖や墓地に接した土地:諫早市の土地(取引中止)は、崖を含み、地域の墓地に接している土地もあり、公道や通路がないと書かれていました。不動産会社には取り扱い自体を断られ、隣の土地の所有者にも譲渡の打診を断られたとされ、固定資産税は年44,474円でした。

土地の固定資産税は、課税なしが1件、年7,000円程度から63,000円と書かれたものが5件でした。市街地の土地は、0円でも税金が高めのことがあります。

空き家バンクで探す

0円物件サイトでは確認時点で募集中の物件が3件だったので、市町の空き家バンクもあわせて確認しましょう。長崎県の移住サイト「ながさき移住なび」の空き家バンク一覧では、県内の市町の空き家バンクへのリンクがまとめられています。同じページでは、空き家バンクを実施しているのは17市町で、2024年度末時点で384件の物件が登録されていたとされています。

同じページによると、2025年度に県内の空き家バンクで成約したのは、賃貸108件、売買141件でした。成約が多いのは五島市(59件)、南島原市(42件)、壱岐市(31件)で、五島市・壱岐市・新上五島町といった離島の地域でよく使われているとされています。

アットホームが運営する「空き家バンク」のサイトでは、長崎県から16市町が参加しています。2026年10月3日に売買物件を確認すると、72件が表示されました。多いのは平戸市(24件)、壱岐市(16件)、雲仙市(15件)です。

  • 種類は、戸建てが51件、土地が21件でした。
  • 価格が100万円以下の物件は5件(戸建て4件・土地1件)で、最も安い物件は80万円でした。
  • 0円の物件はありませんでした。

0円物件サイトで最も多かった長崎市はアットホームに参加しておらず、佐世保市や五島市は参加していても表示される物件は0件でした。長崎市や佐世保市で探す場合は、市の空き家バンクを直接確認しましょう。

市の補助は、使えるかを早めに確かめる

長崎県の市町には、空き家の改修などへの補助があります。当サイトで確認した長崎市と諫早市の補助は、次のとおりです(確認日は2026年10月3日。ほかの市町の制度は確認していません)。

市補助の内容0円で譲り受けた場合の扱い
長崎市(快適住まいづくり支援費補助金)省エネ化やバリアフリー化などのリフォームの費用の20%(上限10万円。耐震性能のある空き家の改修は上限20万円)。事前の抽選があり、市内の業者・工事費20万円以上が条件住宅の所有者か、所有者になる予定の人で、そこに住む人が対象。所有者になる予定の人は、申請の際に売買契約書などを、完了の報告で建物の登記事項証明書を出すとされている。贈与で譲り受けた場合の扱いは書かれていない。2026年度は予算に達して受付を終了
諫早市(空き家バンクの活用補助金)空き家バンクの物件を購入して改修する場合に、改修費の2分の1(一般の地域は上限100万円)。借りる場合は家賃の一部市の空き家バンクに登録された物件を「購入し改修」する人が対象で、申請には売買契約書などが必要(売買契約日から1年以内かつ改修の着手前。所有者の3親等以内の親族は対象外で、住民票を移す必要がある)

長崎市の補助は、すでに家を所有している人も対象ですが、購入の予定の人には売買契約書などを求めていて、0円で譲り受けた場合に使えるかは書かれていません。また、2026年度の受付はすでに終わっていて、市は予算の確保ができた場合のみ改めてホームページで案内するとしています。使いたい場合は、市に確かめましょう。また、1981年5月31日以前に着工した家で上限20万円の扱いを受けるには、耐震性能があることを確認できる書類が必要です。長崎市の同じページには、子育て世帯の中古住宅の改修・取得などへの補助や、1981年5月31日以前に着工した木造の家の耐震改修・除却への助成も載っていますが、当サイトでは内容を確認していません。

諫早市の補助は、市の空き家バンクで購入した物件が前提なので、0円物件サイトで譲り受けた場合は使えないと考えられます。確認時点で0円物件サイトに募集中の諫早市の家がありますが、補助を当てにせず、改修の費用まで含めて見通しを立てましょう。

また、東京23区に住んでいたか通勤していた人が移住する場合など、条件を満たせば国の移住支援金を使える市町村もあります。しくみは移住支援金とは?で解説しています。

民間サイトで探す

  • みんなの0円物件:長崎県のページで物件を確認できます。確認時点で募集中だったのは、佐世保市の山林と畑の土地、長崎市の高台にある木造アパートの跡地、諫早市の1965年築の家の3件でした。
  • ジモティー:長崎県の不動産で「譲り」と検索すると、40件と表示されました。1ページ目に並んだ投稿(受付終了の一覧を除く)15件のうち、価格が0円の物件は8件、10円の物件が1件でした。0円のうち4件は、所有者と希望者をつなぐ事業者の投稿で、タイトルに「※物件価格は0円ですが…」とありました。ほかに、タイトルに「12年譲渡型」とある、借りて住んだあとに譲渡する形とみられる投稿もありました。最初から所有権を譲り受ける物件か、価格のほかにかかる費用はないかを、投稿の本文や案内先で確かめましょう。
  • アットホームの空き家バンク:平戸市や壱岐市、雲仙市などの物件が表示されます。

0円でもかかる費用

物件が0円や低価格でも、次の費用がかかります。

  • 登録免許税:無償で譲り受けた(贈与による)所有権の移転登記では、固定資産税評価額の2%です。買った場合の税率は、国税庁の税額表で確認してください。小値賀島の家のように、登録免許税を所有者が負担すると書かれた物件もありました。
  • 不動産取得税:有償か無償かに関わらず、取得した人にかかります。税率や、かからない場合(免税点)の条件は、県の税務担当の窓口で確認してください。
  • 贈与税:個人から無償で譲り受けた場合は贈与にあたり、その年にもらった財産の評価額の合計が110万円を超えると贈与税がかかります(110万円以下ならかからず、申告も不要です)。長崎県の掲載でも、固定資産税評価額が土地だけで約1,152万円と書かれた物件がありました(贈与税での土地の評価は、路線価か、固定資産税評価額に一定の倍率をかける方法で計算し、家屋は固定資産税評価額が基準です)。評価額が高い家や広い土地の場合は確かめておきましょう。
  • 司法書士への報酬:登記を依頼する場合にかかります。建物が未登記の物件の手続きも、専門家に相談すると安心です。
  • 仲介手数料・マッチングの手数料:空き家バンクの物件を不動産事業者の仲介で買う場合や、事業者の仲介で0円物件を譲り受ける場合などにかかることがあります。
  • 解体・改修の費用:古い家や傷みが大きい家では、住めるようにする改修や、解体の費用がかかることがあります。車や重機が入れない場所では、工事の費用が高くなることがあります。
  • 駐車場・借地代:車を横付けできない家では、近くの月極駐車場を借りる費用がかかることがあります。借地の家では、借地代も毎月かかります。
  • 固定資産税:持っている間、毎年かかります。長崎県の掲載でも、家付きの物件で年28,100円や34,400円、土地で年44,474円や63,000円と書かれたものがありました。

みんなの0円物件の利用規約でも、登記費用や固定資産税の精算金などの実費は、物件を取得する人の負担となる場合があると定めています。税金の詳しいしくみは空き家を手放したい人へ|0円で譲る方法と手順の「譲るときの契約・登記・税金」の節で、譲る側・受け取る側の両方から解説しています。

掲示板やマッチングサイトの投稿には、所有者の連絡先など個人の情報が含まれることがあります。当サイトでは、こうした情報はそのまま紹介していません。0円物件のしくみや注意点は、空き家0円物件(差し上げます)とは?探し方と注意点もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q1. 長崎市で家付きの0円物件はありますか?

0円物件サイトでは、長崎市の物件がこれまでに19件掲載され、そのうち11件が家付きでした。長崎県全体では、家付きの物件が23件掲載され、19件が成約しています。2026年10月3日の確認時点で募集中の家付きの物件は、諫早市の1件でした。長崎市の家は斜面地にあるものが多く、車で入れない家もあるので、現地で道や階段を確かめましょう。

Q2. 0円で譲り受けた家に、市の補助は使えますか?

当サイトで確認した長崎市のリフォームの補助は、家の所有者も対象ですが、0円で譲り受けた場合に使えるかは書かれておらず、2026年度は予算に達して受付を終えていました。諫早市の補助は、市の空き家バンクで購入した物件が前提なので、0円物件サイトで譲り受けた場合は使えないと考えられます。ほかの市町の制度は、契約や工事の前に窓口に確かめましょう。

Q3. 長崎県の空き家を手放したい場合はどうすればいいですか?

市町の空き家バンクに登録する、0円物件サイトに載せる、隣の土地の所有者に譲るなどの方法があります。長崎県の掲載にも、市に寄付を断られたあとに0円物件サイトで譲り先を探した平戸市の家がありました。手順や税金は空き家を手放したい人へ|0円で譲る方法と手順にまとめています。

まとめ

長崎県では、0円物件サイトにこれまで38件の掲載があり、半数の19件は長崎市の物件でした。家付きの物件は23件で、離島の家もありますが、1981年より前に建てられた古い家が中心で、斜面地にあって車で入れない家や、車が通れる道路に面していない家が多くありました。家付きの物件は、土地より成約までに時間がかかる傾向がありました。当サイトで確認した長崎市のリフォームの補助は2026年度の受付を終えており、諫早市の補助は空き家バンクでの購入が前提です。道や階段、工事のしやすさまで現地で確かめ、改修の費用を含めて見通しを立てておきましょう。

参考情報

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